コロナ体験記

今月2日月曜日、朝目を覚ますと身体がだるい。昨年、癌の大手術をしたあと、医師からは「誤嚥性肺炎に注意するよう」警告を受けていました。起床と同時に毎朝、体温を測ります。肺炎に罹っていれば、体温が急上昇するからです。のどに痛みを感じながら、体温測定、38℃を越えています。肺に痛みはありません。「こりゃ風邪だ」と思いました。前夜から気温が下がり、少し寒気を感じていました。2日月曜日は商売定休日。これサイワイと寝込むことにしました。わたしは、風邪ぐらいでは医者にかかりません。医者にかかると、お決まりの治療、抗生物質の投与を受けます。医者にかからない理由に、抗生物質の投与を避ける意味があります。ほとんどの医師は、風邪などの感染症には抗生物質を投与します。劇的に効くからです。劇的に効くというのは、抗生物質のちからを借りて、病気を治していることになります。それは、自分の持っている「自然治癒力」を弱めていることになります。「薬品」のちからを借りず、自然治癒力で病気を治す。これが昔からのわたしの方針です。家内は「お医者さんにかかって、お薬もらえば、すぐに治るのに」と言います。わたしを「医者嫌い」と決めつけています。「医者」が嫌いなのではありません。抗生物質に頼る治療法が嫌いなのです。「水分を十分に摂って、眠ること」。そうやって風邪ぐらいのことは、自力で治してきました。それから2日目、4日水曜日、家内が「のどが痛い」と言い出しました。体温も上がっています。家内はすぐに近所の医院へ駆け込み、抗生物質など処方箋をもらってきました。そして2日後、家内はのどの痛みも緩和され、熱も下がりました。ところが、「食べ物の味がしない」「香りがない」と言い出しました。さあ、大変、以前に買って置いた「コロナ・ウイルス抗原検査キット」を引っ張り出し、鼻腔奥の粘膜を採取して、キットに注入すること約5分。はっきり結果が出ました。「陽性!!! 」。コロナにかかった証拠です。食べ物の味も香りもちゃんと感じるわたしにも検査をしろと言うので、やってみると「陽性 !!! 」。ふたりともコロナにかかっていました。以後、家内は元気に生活していますが、わたしはなかなか治らない。一日中眠いのです。夜は普通に眠れるのに、広間ずっと眠い。と言うよりもウトウト居眠り続けています。わたしも抗生物質に頼って治してしまえば、埒は早いのでしょうが、抗生物質を飲まない頑固な方針なので、仕方ありません。居眠りも治療の一環と考えて、過ごしています。

20世紀に入って、抗生物質は膨大な数のひとびとの命を救ってきました。ペニシリン第二次世界大戦で負傷した多くの兵士を、感染症から救ったと言われます。不治の病と恐れられた結核も、ストレプトマイシンの発見によって、劇的に命が助かるようになったそうです。その後、次々と抗生物質は発見され、感染症から人類を救っていることは確かです。しかし、抗生物質は今や当たり前のように医療現場で使われています。私が危惧するのは、この安易な使用によって、人間が本来持っている「自然治癒力」が弱められて行くこと。そして、使いすぎによる「耐性菌」の出現です。細菌は、薬品によってダメージを受けると、何とかそれを回避しようとして変化をし生き延びようとするそうです。わたしはこの抗生物質多用による、耐性菌の出現は、深刻な問題だと受け止めています。昨年、内視鏡検査により癌の再発によってわたしは、K大学病院の消化器外科へ送られました。そこで、外科手術の親玉ともいえる、教授と面会したとき「これから予定している手術は、70歳の患者まではやったことがある。アンタは78歳、できるかどうか、施術成功すれば最高齢の症例になる。見たところ、アンタ元気そうヤね。やるかー」。かくして、予定12時間の手術が15時間かかったそうですが、わたしは今、生きています。わたしが元気で手術できたのは、何よりも年齢よりも若く生きている実感があるからです。普段から抗生物質に頼らないことが若く生きていられる秘訣だと思っています。みなさん、もう一度抗生物質について考えてみて下さい。

家内はすでにコロナ・ワクチン7回摂種、わたしは3回摂種。これでふたりとも免疫ができて、しばらくはコロナにかからないかも知れません。人間のからだも自然の一部。そう思って生きています。