マイナンバー・カード狂騒曲

 

マイナンバー・カード、そろそろ健康保険証も運転免許証も、ひとつにまとめられそうな気配が出てきました。昨年、パソコンで発行申し込みをした時点で病気になり入院、その後手続きを放置したままでした。思い出してパソコンの画面で再度申し込みをしてみると、「重複してマイナンバーカードの交付申請を行っているか、既にカードを交付済の状態です」と電子メールが届きました。住んでいる市区町村に問い合わせろとのことなので、電話してみました。「カードは作成済み。マイナンバーカード・センターの2階へ受け取りに行って下さい」と言って製造管理番号と発送番号を教えてくれました。この「センターの2階へ」が少し役に立ちました。オフィス街にあるセンターへ着くと、入り口に長い行列ができています。「最後尾」と書いた板を掲げていた女性に、「カードの受け取りに来たんだけれど」と言うと、「行列に並んで下さい」と言います。ダメモトのアドリブで「いや、製造管理番号と発行番号がわかってるんだ。電話で『センターの2階へ行け』と言われた」と言うと、シブシブ「上がって下さい」と行列に並ばずにエレベーターに乗せてくれました。エレベーターの扉が開くと、そこにも行列ができています。センターの部屋に収まりきれずに、エレペーター・ホールにまで連なっています。行列の脇をすり抜けて、一番先頭で行列をさばいている女性にやはりダメモトで「製造管理番号と発行番号がわかってるんだ。直接2階へ行けと言われた」と告げると、ここでもシブシブ、カウンターの中の係を呼んでくれました。その係は渡したメモを見ていろいろ何やら調べた後、「順番待ちの番号札を取って待って下さい」と言いました。待合スペースにはスシ詰めの人々。待合椅子が足りなくて、立っている人も多くいます。親についてきた小学生とおぼしき子供が退屈して人混みを走り回っていたり、赤ん坊が大声で泣いたりしています。待つこと小1時間、(これは何かおかしい)と感じ始めました。ようやく順番が来て、(やっと発行か)と思ったものの、住所、氏名など本人確認。また、番号札を持たされました。30分ほど待って、カウンターで対面、暗証番号の打ち込みを行い、目出度く無事、カードを受け取りました。

( これ一体、何やってんの ? ) 2時間近くかかってカードを手にして、思ったのは ( これ、おかしいゾ ????? )。

そもそも、マイナンバー・カード、行政がバラバラの個人(市民)情報をひとつにまとめ、効率良く個人情報を把握して行政サービスに使おうとするものです。収入など税務情報を把握する、個人監視機能もいつか加わるようです。もちろん、個人にとっても、一枚のカードで健康保健証、運転免許証、年金の管理などなど便利なものながら、行政にとっては、仕事の効率を上げるためのものでしょう。それを、個人が申し込みをして→センターへ出向き→順番を待って→やっとカードを手にする。( お上から交付して戴く ) という姿勢。( 下々に交付してやる ) という姿勢。 ( いつまでこんなことやってんの ) と思います。国民ひとりひとりに「住民票」があります。住所も生年月日も把握できているはずです。その住民票に基づいて、各市役所や区役所、該当する行政機関で、ひとりひとりに勝手にマイナンバー・カードを作っておけば良いではないですか。カードを持ちたいひとは、該当行政機関へ行けば、いつでも受け取れる。暗証番号はその場で打ち込む。それをもって健康保険窓口へ行けば保険証に、警察窓口を設けておけば運転免許証の機能が書き込める。それよりも、暗証番号機能を持たせるのなら、各窓口、各行政機関へ出向かなくても、パソコンやスマートフォンで処理できて良いはずです。これ、やろうと思えばいつでもできるように思います。私事ながら、75歳後期高齢者になった時点で、何もしなくても会社の健康保険から外れ、市の健康保険証が届きました。いまそれを使っています。マイナンバー・カードのセンターをパソコンで開けば、現在は、もっと混雑しているようです。申請が少ないのをマイナポイントという餌 (失礼 ! ) を使って増やそうとしたのが、ただ申請したいだけのひとには、混雑という迷惑になっています。混雑の解消だけなら、より大きなスペースと人員を確保すればできそうですが、それもやる気はないようです。混雑という問題の以前に、出向いて申請しなければカードが作れない、受け取れないことが問題です。住民登録さえできていれば、カードは自治体に用意してあって、いつでも窓口で受け取ることができる体制をとっておくのが今の時代の行政でしょう。出向いて→大混雑の中、待たされ→申請(本人確認=首実検)→発行(やっとカードが手にできる)・・・これ馬鹿じゃないの ?