T前議員が落選した理由

f:id:doiyanneko:20211117182710j:plain
f:id:doiyanneko:20211117182649j:plain

             ことしも柚子は豊作でした

 

庭の柚子が収穫段階をむかえ、3分の1ほど収穫しました。吸い物やうどんの吸い口にして、良い香りを楽しんでいます。

先般の衆議院選挙の結果により立憲民主党(以下RM党)の党首が辞任しました。私のブログはできるだけ特定の政党のことは書かないようにこころがけていますが、どうも評論家や政治記者のなかに、あの選挙結果を誤解しているひとが多いので敢えて書きます。ここに国民の政治に対する変化の潮流を感じるからです。政治活動をサボッていたベテランや大物議員が落選したのは当然です。そのなかで、日常活動が結構目立っていたのに落選したひとがいます。いままで大阪府T市とS町の選挙区、大阪10区から当選していた女性T前議員です。かねがね私はこのT前議員、国民の投票で選ばれた国会議員として、実に恥ずかしい存在だと思っていました。関西人としても恥ずかしく思っていました。T市に住んでいる後輩に、「Tのようなひとを選出している住民として、恥ずかしくないのか?」と以前言ったことがあります。「ウチの嫁ハンや、おバチャン達がファンになって推してしまうのです」と言うので「キミはどうなんだ」と言うと「恥ずかしい」と答えました。今回の選挙結果の風向き変化を、まずこの感覚で捉えてみてください。テレビの報道トーク番組などに出ている時のT女性は、そこそこデータなどを示してそこそこ普通の意見を述べたりします。まんざら根っからのバカでもなさそうです。ところが国会審議、特に証人喚問になると「なに?このひと」と言いたくなるぐらい品格の低い人物に豹変するのです。「あなたは疑惑のデパート」「疑惑の総合商社」とののしり「ヤバいと思ったんじゃないですか」と吊し上げる。これは審議でも質疑でも国政調査でもありません。プロ・レスリングです。最初から悪玉役と善玉役を決めておいて、善玉役が悪玉役をこれでもかと叩きのめすショー・ビジネスです。観客はヤンヤの喝采、溜飲を下げる。この善玉役をいったんやってしまうと、麻薬と同じでやめられないようです。思えば戦後以来、国会審議の一潮流として、脈々とこのプロレス・ショーは続いてきました。野党の質問者が大臣や官僚の落ち度、失敗、疑惑を声高にヤリ玉にあげて、こきおろす。立法行為でも審議でもなく、勧善懲悪、月光仮面鞍馬天狗よろしく、悪人をやっつける。もちろん放送のない委員会では地道な審議が行われ、国民に必要な法案が成立しているのですが。しかし、予算委員会など放送される審議では、このプロレス・ショーになってしまいがちなことは否定できません。このプロレス快感依存症におちいって、どんどん党勢を衰退してきたのが日本S党でした。55年体制と言われる2大政党時代、野党として大きな力をもち、60年安保法案時代の国会では与党のJM党を脅かす存在でした。あるJM議員が自嘲気味に「JM党は、戦後ずっと日本S党が要求する政策を5年遅れですべて実現してきた」と語っていたのが忘れられません。日本S党がそんな存在価値とは別に、いつしか勧善懲悪ショー依存症におちいり、尻すぼみ。今は昔の見る影もありません。先ほどの大阪10区選出のT前議員は、もともとこの日本S党出身で、このプロレス快感依存症が骨の髄まで染みこんでいるのでしょう。今回の衆議院選挙、RM党が議席を減らしたのは、日本K党と選挙協力をしたからとか、日本Iの会に無党派層を食われたとか言われますが、実は有権者がプロレス・ショーに傾いた政党に嫌気がさしている面を忘れてはいけません。RM党のなかには、このコロナ蔓延をうけ、困っているひと、根本対策などのために与党と首つきあわせて対応した立派な議員もいます。そんなひとは落選していません。政治評論家のなかには、RM党の党首選びに、「T前議員が立候補すべきなのに、落選したから残念だ」といったひとがいます。「おいおい、T議員が落選したことを、何ととらえているんだ。ピンボケ感覚もいい加減にしろヨ」と思ったのが今回、こんなチト政治的なブログを書いた理由です。いま国民も議員も、国会審議のプロレス・ショーから卒業する良い機会です。悪事や疑惑は、警察や検察が対応すべき問題です。国会で取り上げるから、司法が対応しなくなるのです。不正があれば、告発、告訴して、国会は適切に捜査されているかを監視すれば良いのです。相手をヤリ玉にあげて、善玉ぶって人気をとり、選挙を有利にしようという根性に、そろそろ有権者は飽きてきているのです。T前議員が落選したこと、RM党が議席を減らしたこと、日本S党が風前の灯火なのを私はそうとらえています。永田町の常識は国民から見て非常識。相手をヤリ玉に上げてプロレス・ショーを繰り広げるのを得意とするT前議員の落選を、好ましい政治の潮流変化ととらえるべきです。