災害の記憶と反省-その3-水害

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ここ数年、台風などの大雨で、洪水の被害が続いています。エジプトのナイル河の氾濫は、雨期になると水かさが徐々に増し、水浸しになります。乾期になって水が引くと、そこは豊かな養分土壌の農地で、豊作となります。人的被害はほとんどありませんでした。アスワン・ハイ・ダムができてから、川の様相は変わりましたが、川とはそういうものなのです。それを川岸に堤防を築き、川を制御しようとしてから、為政者も住民も治水に苦労するようになりました。水の恐ろしさを知っている昔のひとびとは、川に近い低い土地を、農地としても居住地にはしませんでした。どうしても住むのならば、石垣を積んで基礎をかさ上げして家を建てました。水の恐ろしさを忘れたひとが、徐々に家を建て、堤防に頼りはじめ、現代につながります。地震津波原発などに共通する→「災害は忘れたころにやってくる」意識がもたらす被害です。東京世田谷区のマンション住民が、多摩川が見えないからという景観を優先して、堤防を低くしたのは、これほど自然をナメ切った話しはありません。

もうひとつ最近の洪水では、本流の水量が多く、支流の水が本流へ流れず本流から逆流して、支流の堤防が決壊→バック・ウォーターという現象がおきています。水害防災の専門家に素人提言ですが、合流地点の本流すこし上流に堰を設けてはいかがでしょう。そうすれば合流地点の水速が速くなり下流へ行くと考えます。是非、ご検討を。

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また、豪雨時に上流ダムが緊急放水をして、災害が発生しています。とくに夜間の放水は、下流住民の避難が困難で、人的被害をもたらします。現代ほど天気予報の精度が高い時代、豪雨が予想される前には、ダムを空っぽにしておくべきです。水力発電ダムの蓄水は電力会社の収益源ですが、豪雨が予想される時には、収益を無視すべきです。現代人は今いちど、水の恐ろしさを肝に命じる必要があります。