災害の記憶と反省-その2 東日本大震災

f:id:doiyanneko:20200210215436j:plain
f:id:doiyanneko:20200210215415j:plain
yahoo公開画像から 3.11津波



震源マグニチュード7.9、宮城県震度7という大地震でしたが、報道を見る限り、地震よりも津波の被害が大きかったようです。被災地に人口密集地が多くなかったのが、地震被害が大きくなかった原因かも知れません。ということは、首都圏に起これば、地震の被害は何倍、何十倍にもなり、しかも津波被害が追い打ちをかける最悪の事態が予想されます。「大地震がきたら、船を沖に向かって走らせろ」という先人の教えを実践し、助かった漁師さんの映像がありました。沖へ向かう途中、おおきなうねりに遭いましたが、転覆するようなものではなかったといいます。港に係留されていた船が、ビルや道路に乗り上げ損傷した映像を見るにつけ、この漁師さんは先人からの教えを生かせたと言えます。

 

 

 

f:id:doiyanneko:20200210220128j:plain

写真は「これより低い土地に家を建てるな」石碑

財)消防科学総合センターより

 

過去に何度も津波被害をこうむった地域らしく、「これより低い土地に家を建てるな」と彫った石碑が見られます。ひとは忘れるのです。タカをくくるのです。自分が生きているあいだに、巨大津波は来ないと。反省よりも救いようのない人間の本性を感じます。巨大な防潮堤を作るよりも、津波被害が予想される海沿いの土地は、市街化調整区域として、建築禁止の線引きを考える段階にきていると思います。逆に高台の森林などを市街化調整区域から解除し、交通網やライフラインなどインフラ整備をすれば、住宅の高台移転が実現するはずです。首都圏や大阪市高知市など海抜零メートルの地域は、早急に見直しが必要です。この大地震の何倍もの被害が想定される地域は、その被害と復興コストを計算すれば、思い切った都市計画を前もってしておくべきです。首都圏の超過密と地方の超過疎。都市計画や税制などを組み合わせて、国土を作りかえるのが、この大震災から学ぶ反省点・教訓です。太平洋沿岸、首都圏に起きれば、日本壊滅の悲惨な状態になるのは目に見えています。災害は忘れたころにやってくる→自分が生きているうちは来ないだろう→明日に来てもおかしくありません。

名取市閖上地区などのように、ガレキ撤去後更地になってしまった土地に、再度家を建てようとしても、住民は戻ってきません。海水面とほぼ同じ高さの平野部に、町の再建は無理ではないでしょうか。思い切って、高台移転の発想が必要です。

自動車火災も課題です。津波で浮いたクルマ、漏れ出したガソリンやガソリン・タンクにバッテリーがショートして引火。平時からキーを切ったとき、バツテリーの端子が離れる方策も考えられると思います。コンビナートの防火、地面の液状化現象防止策などとあわせて、知恵のだしどころです。津波が猛スピードで河川を逆流するのも学習しました。教訓として、次の100年に生かしましょう。