病院の外は

 

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セキレイ     大病院

師走もにちにち、深まりつつあります。鴨川に面した大病院です。木々は紅葉し、まもなく落葉、訪れる新年を待つことになります。散歩していて、こちらから見る景色は、気楽なただの冬の一ページですが、入院していて外の木々の変化に年末を知り、ためいきをついている患者さんがおられるかも知れません。私事ながら、入院生活をしたのは8年前でした。横たわって病室の天井を見上げるか、窓外の景色を見るかの一日がつづきました。運良く癌を克服し、私は2ヶ月で退院できました。「入院のまま、越年か」と外を見ているひともあるでしょう。窓から見る鴨川と木々が、人生の最後に見る景色になるひとも、少なくともおられます。ましてや、病気の王様のような患者さんも多い、公立病院です。窓ガラスのこちらと向こう側、シアワセと絶望がガラス1枚で区切られた、残酷な人生模様。誰もがいつかは死ぬんだけれど、与えられたシアワセな今の時間を大切にしなければと、対岸から思いました。セキレイがシッポを跳ねて、見ていました。